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Sketch

ーもしも愛がすばらしいなら

もしもあの時、私が消えていたらー映画『明日、君がいない』のおかげで救われたこと

ひょっとしたら、もう書いたこともしれないけれど。改めて。

 

大学生の時、いつも苦しかった。今思うと、当時の環境も影響していたけど、安心できる状態になって、それまでの苦しみが降りかかってきたんだと思う。

 

それでも、心許せる人とのたくさんの出会いにも恵まれ、落ち着いてきた3年生の頃。

とても苦しい時があった。理由も分からないまま、部屋にこもっていた。

 

苦しみ続けた1週間後、朝目覚めると少しすっきりした気持ちで、「今日死のう」と自然に思っていた。もう、それは自分ではどうすることもできない、「トイレに行こう」というのと同じくらいに自然なことだった。

 

久しぶりに外に出て、街をぶらつき、時々不安定になりながらも、その1週間の間では比較的落ち着いて、夜を待った。

 

部屋はぐちゃぐちゃで、荒れた状態だった。だから、もし「キレイに」死にたいなら、やることはたくさんあったはずだった。けれど、TSUTAYAの延滞金恐怖症だった私は、ただ「DVDを返して死のう」と思った。

 

その時、観ていないDVDがひとつあった。借りた記憶もなかった。内容も一切分からなかった。でもせっかくだから、と返す前に観ることにした。

 

それが、映画『明日、君がいない』だった。

 

見終わった後、私は「生きること」に戻っていた。実際、数時間前まで死のうと決めていた人間が、暗闇の中、返しに行くのが怖かったくらいだ。

 

その後も、自分で制限できる様子はおかしくて、大学のカウンセリングに通った。1週間前、幼い時の親との関係を描くワークを授業で行ったことを思い出した。

 

閑話休題

今年の春。私は、家がない人が一時的に住んでいい場所に1人いた。ふとテレビをつけると、NHK自死遺族の特集を行っていた。

 

その時、私は本当に大好きで、自分のことを偽りなく話せる、新しい家族のような友人たちに出会えていて。私はその時に、もしもあの時消えていたら、その人達との出会いがなく、その人達と過ごした貴重でかけがえのない日々もないのだと知った。そして、今年地元に帰ってきた大事な友人だったり、大学時代、当時既に出会っていた、そしてきっと悲しませてしまった大切な友人たちの顔が浮かんだ。

 

大学卒業後も、死が完全に離れたとはいえない日もあった。特にうつは、私を誘惑した。けれど、それも含めて話していいと教えてくれた人たちに出会い、時を共に過ごさせてくれたおかげで、私は今も生きていて、今、自死が遠い存在になった。

 

生きたい。それは誇張しすぎかもしれない。でも「生きている」。今は、そう思っている。

 

そして、今も知っているあなたにも、まだ見ぬあなたにも、昨日の記事「すみませんけど、生きていてくれませんか」と猛烈に、切実に、お願いしたくてやまないのです。

 

捨ててもいいものも、逃げてもいい場所も、踏みにじっていい常識も、倫理なんてものも、たくさんある。

だから、生きていてくれませんか。

 


 

 

NHKオンライン | 自殺と向き合う - 生き心地のよい社会のために

 NHK福祉ポータル ハートネット