Sketch

ーもしも愛がすばらしいなら

晴読雨読ーそして『わがままなやつら』

友人が、とある新聞の「晴読雨読」というコーナーで図書の紹介をすることになった、と言った。

 

私なら、人生で読んだどの本を紹介するのだろう、と考えてみた。

 

頭に浮かんだのは2冊。

中学時代に出会って、今でも素晴らしい本だと想っている「マリアからの手紙」。もう1冊は、その話をするちょっと前に読んだ、「わがままなやつら」という本だった。

 

「マリアからの手紙」は、多くの人に受け入れられるし、とても気に入ってもらえる、大切なメッセージが込められた本だから、この本を選択するだろう、と思った。

 

だけど、時間が1日、2日と経つにつれて、私は「わがままなやつら」の紹介をしたいと思うようになっていった。

 

試しに、書いてみた。私なら、どうこの本を紹介するのだろうか、と。難しかった。言葉で表現するのはいつも難しい。そしてこの本がどうしてこんなにも特別な本なのか、それを表現できないと思った。書いてはみた。私が書いた文章は、この本の紹介をしている。

 

けれど、大切な何かが抜けていた。

 

私にはその大切な何かがあることだけが分かっていて、それが書き切れないと完成と言えないと知っていた。

 

けれど、その大切な何かは、多分、この本をこの本たらしめているものなんだと思うけれど、言葉にするには難しかった。はっきり意識するのが難しいから。

 

私は知りたくなかったのかもしれない。はっきりと、どうしてこの本がこんなにも私にとって「良い」・・・訂正。私の心を捉えて離さない本なのかを。

 

けれど、知りたくて、読みたくて、文章を書いてみた。

 

少しでもこの本の本質に迫りたくて。でもデタラメにかくしかなかった。

 

だって、私にはその力しかないのだから。

 

知りたいけど、知りたくない、この本をこの本たらしめている「何か」。

 

とにかく、私はこの本を愛してやまないのだ。