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Sketch

ーもしも愛がすばらしいなら

心臓の移植手術を待つデンマークの女の子のお話 ー 児童文学『マリアからの手紙』

14歳の誕生日を控えた少女マリア。

 

心臓の移植手術を行わないと生きられないと告げられている。

 

まだ幼い、大好きな妹に向けて、自分の軌跡を記そうと手紙を描くことを決める。

 

デンマークの田舎で生きる少女が政治や生きる意味、愛、家族、友人、死と向き合った日々が鮮やかに描かれています。

 

この本に出会ったのは中学3年生。受験で追い込み時期だったけど、読むのを止められず、夢中になって完読した一冊。

 

それからずっと、思い出深い本として胸の中にしまっていました。

 

最近ふと読みたくなって、図書館で借りてきました。

 

Amazonで見ると、今はもう古本のみの扱いのよう。

 

当時とは違う気づきがあり、宗教、学生の抗議運動や移民関係についても出てきて、当時のデンマークの社会状況を垣間見れる気がします。

 

個人的には、担任の先生や授業が素敵で、私もこの教育を受けたかった!と思ってしまいました。

 

今から20年以上前の1989年に出版された作品ですが、主人公のマリアの日々が色鮮やかに蘇ってきます。

 

そして、大人になってなんとなく惰性で物事を洗濯したり、未だ人の目を気にして生きている日々に、マリアが語りかけてくるような気がするんです。

 

「そんなことに、何の意味があるの?」って。

 

 

最後に本の一部を抜粋。

 

カツリーナへ

 自分が死んでしまうとはじめて知った時、暗闇をこわがるのはもうやめようと思った。それまで私は、すごくこわがりで、バス停から家までの間もこわくてしかたなかった。走ればたったの五分なのに。でも、今は暗い所なんかこわくないし、恥ずかしがるのもやめた。前よりずっと勇気がある。私はきめた。こわがったり、悲しんだりすることで、時間を無駄にはしないって。

 

グレーテリース ホルム著 『マリアからの手紙』